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吸血鬼を主題にしたオリジナル小説。 ヴァンパイアによる支配が崩壊して40年。 最後に目覚めた不死者が直面する 過渡期の世界
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久史都子
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女性
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お船にのって新しい白いお家にきてから、お母さんが遊んでくれない。いつもお話してくれてた使用人もみかけない。外にでてお友だちをさがすのもダメって言われた。
だからジミーは、今日もオジサンがいるハナレですごしている。高いカベにはバラのつるが登って赤や黄色い花を咲かせてる。

「ジミーのおふくろさんは偉い人だ。仲間と寄付を集めて基金ってやつを作った。それでオレらみたいなハグレもんの自立支援ってヤツをしてる。東大陸から渡ってきて、何かヤバいことに巻き込まれたり、しくじったり、病気になった人を手助けしてるんだ。今は、商館に掛け合って大きい別館を建てて、治療院やら子供の預かり所やら…」

お母さんをほめられるのは、うれしい。でもおじさんの話しはムズカシくてよく分からない。本をよんでほしくて、黄色いひざかけの上にお気に入りの青い絵本をのせた。

「ジミーは冒険が大好きなんだなぁ。うん、男の子はそれぐらいがいいな」
「おかしの島が出てくるでしょ、そこよんで」
おじさんのまわりでぴょんぴょんとんだ。おじさんはすぐ息切れするから、おにわを歩いたりできないけど、イスにすわってる時は何ども本を読んでくれる。

おじさんが本をひらくと、おかしの島の絵が見えた。
「でも、お菓子の島には、不死身の巨人が住んでるんだよ」
「ボクこわくないよ。心ぞうが入ってるガチョウのタマゴを見つけるから。つぶしちゃうよってオドかして、宝物のかくし場所をきいたら、ぐしゃってするから」

「そっか、ジミーは賢いもんなぁ」
おじさんが笑う。だけどセキをはじめたから、水さしを取りに行った。おじさんが苦しそうだし、今のうちにいっぱい親切にしてあげなさいって、お母さんに言われてるから。

おじさんのセキがおさまって、やっとおかしの島の話がはじまった。
ページをめくるおじさんの手に巻いてある赤い布は、お母さんの首に巻いてある布とおそろい。いっしょにいると、なんだか安心する。

昔、おじさんは悪い人だったって、お父さんが言ってた。
だから、おじさんがハナレにいる事はボクたちだけの、ヒミツ。

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