01 | 2025/02 | 03 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ||||||
2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
今回は危機的状況です。第七章がサッパリ……3000字弱しか。どうやら、推敲作業の時間稼ぎしたいみたいなので、今宵は散文にお付き合いを。
お題は『フィーヴァードリーム』上・下 創元ノヴェルズ……南北戦争前後のアメリカ。外輪船がハバ効かせてた南部が舞台のヴァンパイア小説だよね。これのせいで、第六章が船になっちゃったとか?
蒸気船とバーク(3本マスト横帆縦帆混合帆船)じゃ雰囲気が違いますし、豪華客船フィーバードリーム号に比べると、グースエッグ号は小さい上に……ケレス号つまりデメテル号にはならなかった船ですが。
でもさぁ、ヴァンパイア物で船出したら、閉鎖空間で全滅か生き残りかで盛大にバトルしないと、やっぱ締まんないよね。
不吉なこと言わないで下さい……お話戻しますよ。
『フィーヴァードリーム』は銀髪のジョシュアと赤ら顔の船長アブナー、吸血鬼と人間の種族こえた友情を主軸に、蒸気船での命がけの競争や大農園に潜む敵役の吸血鬼との覇権争いにラブロマンス。アクションとサスペンスにホラーを加えたエンターテインメントな小説です。
前回の感想文。ポリドリさんが書いた『吸血鬼』に比べると、なんかベタ褒め?
ジョージ・R・R・マーティンはすでにSF作家として評価を得ていた人ですしね。力量は確かです。そういえば欧米のヴァンパイア物らしくキリスト教的解釈もしてますが、ヴァンパイアそのものの設定はSF的かと。
長命で丈夫で日光に弱くて月に一度吸血衝動に襲われるけど、夜の人々って結局は生物だもんね。でも、そうなるとすっごい疑問が……ジョシュアの姉さんか妹は、どこいったんでしょ~?
あ゛、言ってはならないことを……
だって、夜の人々の女性って妊娠確率は低いし、出産にいたっては生涯に一度。多胎妊娠じゃないと、始祖カインの次の世代か孫の代でいきなり断絶だよ。ジョシュアが血塗られた種族の歴史を変えるヒマもありゃしない。第一、妊娠=女性の死なら避妊しようよ。
いや、男性側が初めてっぽいのにそんな冷静には……というか19世紀に避妊ってのも。そのへんは、生殖とタナトスが生み出す創作ならではのロマンとかファンタジーってことで大目にみませんか?
女は地から湧いたり木の股から生まれるわけじゃない。イブはあばら骨から生まれたらしいけど、女も女の股から生まれるんだけどなぁ。それに生物濃縮ってやつは、神罰よりすみやかに初子に災いをもたらすし……最強の肉食生物ならかなりの確率で夜の人々って不妊症なんじゃない?
まぁ、生物の本質は雌。雄は遺伝子のバリエーションを生み出すシステムと考えた場合、夜の人々の男女比は確かにヘンなんですが。
いや、男女比はあれでいいの。出産が一発勝負なら女性の戦略としては、色んな遺伝子で多胎妊娠のネコ型生殖がベストだし♪
あの、なんかそれだといちじるしく不道徳なお話に……
群れる生物なのも、多胎妊娠なのに出産後に母親がいなくなるから、子供は全員でメンドウ見る習性ってんなら納得。夜の人々は男も授乳可なら、あの男女比でOK♪
(ジュリアンの授乳シーン想像中……ちょっとホノボノしてしまった)ピジョンミルクの様に?
あー、そんな感じ。
ティアさんがそれで納得いただけたようなら何よりです。
話があらぬ異次元へ吹っ飛びましたが……
『フィーヴァードリーム』は主人公2人がマジメと言うかストイックな小説で、艶っぽいシーンはほとんどありませんので誤解なさいませんように。
血とか大量殺戮の描写はありますけどね。
1つ前のよしなごと「世界地図の設定変更とドイツの気象学者の関係」へ
次のよしなごと「異世界でも時間感覚は変えられない」へ